施設紹介 安佐市民病院 循環器内科

安佐市民病院 循環器内科

 当院はDPC2群病院ですが、年間13.000人の入院のうち、後期高齢者が1/3、独居13%、介護保険利用者15%という、微妙な高度急性期病院です。
 我々のPCIは、急性心筋梗塞が100例、不安定狭心症が100例、待機的が100例の1:1:1の比率で施行しており、予後やQOLに関係ないPCIは原則禁止です。
 この5年間とりくんできたことは、2点あります。
 一つは心不全チーム(写真2)です。心不全認定看護師を2名、MSW、PT、医師で、ケアマネ受験をし、4名が合格しました。5年前から入院初日に退院調整を開始し、心不全のDPC入院期間2越率を35%から20%まで低下を達成しました。医療クラークとMSWでチームをつくり、介護保険主治医意見書、身体障害書類を代行できるようにし、近隣の優秀なケアマネと飲み会を繰り返しました。専属PTを配置し、ADL維持体制加算がとれるようになり、PT視線で心不全に対応していただくと、看護師との協同がスムースで、看護師から『先生、この患者さんの治療方針どうなるん?』ときかれることがほとんどなくなり、勤務医負担が大きく軽減されました。
 もう一つは、救急総合診療部(写真3)の設立です。ロコモ、肺炎、心不全、認知症、消化管出血は、内科全員の課題であるとし、自分の専門だけ診療する態度を禁じました。25年前にカテ屋が一番最初に「俺様は専門医!」と一般内科から逃げ出したのに、今更、何をいうかと!唖然とされる場面も多々ありました。総合診療をクズカゴ的にあつかわない、百科事典みたいな総合診療医はいらない、こういった態度でのぞみました。強力な助っ人も必須でした。自治医大卒業生です。極めてまじめで、かつ明るく初療の基本ができている人たちで、3名仲間になっていただき、結局、消化器内科、呼吸器内科、血液内科、脳神経内科、代謝内科の面々の協力がえられるようになりました。その救急の雰囲気は当然初期研修医確保にもはねかえり、好循環が生まれ、救急車が年間2500台から4000台に増加しました。 高齢社会で、中心にすわるべきは、救急に立ち向かう度胸と度量を兼ね備えた循環器内科医です。


写真1

写真2

写真3
<<戻る