施設紹介 広島市立広島市民病院 循環器内科

広島市立広島市民病院 循環器内科

病院の概要と基本理念
 当院は広島市中心部の中区に位置する広島市の中核病院で、被爆7年後の昭和27年8月、至る所に惨禍の爪痕が残っていた現在の地に、国より社会保険病院として設立された。平成15年に社会保険広島市民病院から広島市立広島市民病院となり、平成26年から地方独立法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院となった。広島県下最高の急性期病院として地域医療に貢献しており、病院の基本理念は、‘患者さんと協働して、心のこもった、安全で質の高い医療を行います’ である。

循環器内科の沿革と現況
 広島県下で最初の心臓手術が当院心臓血管外科で施行されたこともあり、爾来、日本有数の循環器内科として広島の循環器医療をリードしてきている。患者一人ひとりの病態に応じたテーラーメード医療を目指し、1日200人来院する循環器外来診療および年間3000人が入院する循環器内科病棟と救急救命センター内のCCUを、循環器内科スタッフ14人で管理している。なお、当院の救急救命センターは心筋梗塞と脳卒中という循環器救急疾患に対応するため、昭和52年7月1日、厚生省より第一陣の優先指定を受けた全国4病院の一つとして開設されて以来、循環器救急疾患主体の救命センターとして365日、24時間体制で運用しており、救急救命センター内のCCUには、年間に1000人の循環器救急患者を受け入れている。

循環器急性期治療のメッカ
 当院は今から34年以上も前から急性心筋梗塞症に対する緊急カテーテル治療を始めた病院として有名である。今では当たり前となっている緊急カテーテル治療だが、1980年に米国のレントロップが急性心筋梗塞症の患者に冠動脈内血栓溶解療法を行ったのが、幕開けである。当院ではその翌年の1981年に日本のトップを切って、急性心筋梗塞症に対して冠動脈内血栓溶解療法を開始した。
 また、最近では海外においても注目を浴びている‘たこつぼ型心筋症‘は、1983年に当科において世界で始めて発見された。このように、世界をあるいは日本をリードする先駆的な循環器急性期医療と、患者と社会のニーズに応じた医療および広島市民病院循環器内科でしか行えない高度先進医療をモットーとし、以下の如くの循環器医療を提供している。

  1. 虚血性心疾患や末梢血管疾患などの動脈硬化性疾患に対する治療
    心臓カテーテル検査数は約3000例、カテーテルによる血管内治療数は約1000例と、全国有数の症例数である。
  2. 不整脈疾患に対する治療
    カテーテルアブレーションの治療総数は、中国・四国地方ではトップレベルの症例数であり、年間の症例数も250例を超え、デバイス植え込みは年間200例弱に施行している。
  3. 心不全や弁膜症の診療
    薬物治療から心室再同期療法などの機械的治療までの幅広い治療を提供しており、人工心臓を導入した超重症例もある。成人の弁膜症に関しては、経皮的大動脈弁移植術(TAVI)を、平成27年の春から施行予定である。
  4. エコノミークラス症候群(肺塞栓症)や心筋症などの治療
    これらの部門は、日本のオピニオン・リーダーであり、県内だけでなく、県外からも多数の患者の紹介を受けている。

最後に
急性期循環器疾患の診療に興味がある若手&中堅医師を募集しています。広島市民病院でキャリアを積みたい先生がおられましたら、井上一郎まで連絡をいただければ幸いです。

<<戻る